第一回は「衣」の領域がテーマです。
日常生活のなかで、私たちの生命をあらゆる角度から支えている繊維。日本の優れた技術力も日々研究され進化しています。今回は企業から二名のゲストをお招きして貴重なお話しを伺いました。
- [プログラム報告]
「眞田岳彦ディレクション・生命をつつむ未来繊維／
第一回「衣～身体化するファイバー」報告
５月２８日（土）連続セミナー
「眞田岳彦ディレクション・生命をつつむ未来繊維」が開催されました。
第一回は「衣～身体化するファイバー」。
私たちの生活とともに常に進化し続ける「衣服」。その身体補助機能や先端加工技術に焦点をあてて二名のゲストスピーカーをお招きしてお話しを伺いました。
本企画は衣服造形家・眞田岳彦氏が５つの領域「衣」「医療」「食」「移動」「住」から、各分野の専門家や企業内開発者など先端の現場で活躍されている方をゲストスピーカーとしてお招きして先端繊維を通じて、私たちの生活の「今」と「未来」を考察する連続セミナー（全５回）です。
ゲスト・スピーカーの講義
■未来を生む天然繊維と先端加工技術／水野伸介氏（日清紡テキスタイル株式会社）
伝統的な天然繊維である「綿」の加工過程を紹介しながら、一方で先端技術と新繊維の多様な可能性について、会場の参加者と簡単な実験を行いながら分かりやすく解説いただきました。
■身体補助と防護／堀井二三男氏（株式会社廣瀬商会）
廣瀬商会は自衛隊をはじめ様々な特殊作業を補助する新機能素材を開発しています。
防弾ベスト、感染防護服など「補う」「護る」といった機能が求められている繊維について、その開発を通じて、私たちのライフスタイルが真剣に向かい合っていくべき未来について熱く語っていただきました。
■眞田岳彦氏の提案／作品
眞田岳彦氏からは、「未来へのデザイン《衣》の提案」として、作品が紹介されました。
私たちが未来へ向けて何を求めて、どこへ向かうべきなのか。
選択すべきライフスタイルについてのヒントが、作品を通じて考察されました。
会場で受講された方々にとっては「衣服」と「人」との関係性を改めて認識する良い機会となったのではないでしょうか。
日清紡テキスタイル株式会社、白十字株式会社からは、制作のための繊維素材をご提供をいただきました。ありがとうございました。
また、同じく二部では、吉川新吾氏（繊研新聞社）の進行のもと眞田氏を含むゲストスピーカーによるトークコーナーが設けられ、会場から集められた質問にお答えいただきながら、私たちの生活を豊かにする先端技術の可能性についてお話しいただきました。
終了後、参加者からは「普段、接点のない企業の方のお話しを直接伺うことで、我々消費者も日常について丁寧に見直す機会となり、貴重な体験だった。」という感想も沢山いただきました。
次回、第二回「医療～再生する皮膚と心の布」は7月23日（土）開催予定です。
ご興味ある方は、ぜひご参加ください。
http://www.setagaya-ldc.net/modules/events/event_detail.php?num=1&id=340