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暮らしのセミナー+ワークショップ「マイ・エンディング・ノート」を開催しました。 | 世田谷文化生活情報センター 生活工房

スタッフブログ

  • [プログラム報告]

暮らしのセミナー+ワークショップ「マイ・エンディング・ノート」を開催しました。

綴りはじめよう、これまでのこと、これからのこと。

11月30日(土)・12月1日(日)の2日間に渡り、暮らしのセミナー+ワークショップ「マイ・エンディング・ノート」を開催しました。

1日目はまず、井上治代さんによる講義から始まりました。

「死後の仕掛けをしておけば、死ぬことが怖くなくなる」と、残された人へプレゼントが届くように準備していた例などを紹介。エンディングノートもある意味、残された人へのプレゼントにもなるのかもしれません。

そのためにも、葬儀屋さんなどが配布しているエンディングノートにある一般的な項目(病気告知や延命措置の希望、葬儀のやり方など)以外に、ぜひ書いてほしい重要なことがあると井上さん。

「愛する人へのメッセージ。生家の間取り図や父母の思い出、人生で辛かったこと・嬉しかったこと」などをぜひ書いておいてほしいといいます。

そして、それは、このあとのノートづくりとインクづくりにもつながっていきます


暮らしのセミナー+ワークショップ「マイ・エンディング・ノート」を開催しました。
暮らしのセミナー+ワークショップ「マイ・エンディング・ノート」を開催しました。

 

講義のあとは、ノートづくりから。

表紙の色・裏表紙の色はある程度決まってしまっていますが、中身の78枚の紙の組み合わせをどうするかは、本当に千差万別でした。

「方眼紙と白紙を交互に入れてほしい」「罫線を50枚のあとに、白紙が20枚、そのあとに罫線8枚」などさまざまなオーダーが。

そんな細かなオーダーにも対応し、「追加したくなったらリペアシステムをご利用ください」と伝える講師のFOLK notebooks・黒澤さん。

ノートをリングで綴じるときも、希望者には専用の機械を使ってガシャン!と自分で綴じる感覚を味わってもらいました。

「いざというとき『赤いノートに全部書いてあるから』って言えばいいと思って、赤い表紙にしました」

「生家の間取り図を入れたいから、最期の1枚は方眼紙で」という方もいました。


暮らしのセミナー+ワークショップ「マイ・エンディング・ノート」を開催しました。
暮らしのセミナー+ワークショップ「マイ・エンディング・ノート」を開催しました。

 

ノートづくりの順番を待つあいだ、皆さんが取り組んだのは「記憶の中の色づくり」。絵の具を溶いて、画用紙に、人生の中で印象深い色を再現します。

「お母さんが作ってくれた別珍のジャケットの色」

「生家は庭木の多い家で、なくなった父がよく剪定していた梅の木の葉の色」

「楽しい学校生活を送った制服の色」

「小さい頃着ていた雪だるまのスキージャケットの色」

前半のお話にあったような、幼い頃の記憶がどんどん呼び覚まされていくからか、または子ども用の絵の具を数十年ぶりに触ったからか。

皆さんのお顔がどんどん若々しくなっていきました。


暮らしのセミナー+ワークショップ「マイ・エンディング・ノート」を開催しました。
暮らしのセミナー+ワークショップ「マイ・エンディング・ノート」を開催しました。

12月1日(日)2日目は、昨日作った色をもとに、おひとりおひとり、インクブレンダーの石丸治(セーラー万年筆)さんに、インクを調合していただきました。

石丸さんは、出で立ちもセットも、本当にバーテンダーのよう!と思ったら、本当にバーテンのシェーカーを振り出しました。

「これが手動で最もよく攪拌できる物なんですよ。よくできてますね」インクを混ぜるのにシェーカーが大活躍しているそう。

昨日つくった絵の具の色では、うまく記憶の色が作れなかったという方は、石丸さんに相談します。「これよりもう少し透明感のある色にしたい」「これより明るい印象にしたい」「もっと濃くしたい」などなど。

「いかがでしょう?」と石丸さんの作ったインクで試し書きをすると、参加者の方の笑顔が生まれます。「そう!この色です!」

出来上がったインクはそれぞれ名前をつけられました。

「宇宙の青」「天の音」「冬の夜空」「雪だるまのスキージャケット」「幻想曲“桜”」「紫陽花の移ろい」「心のいろ」「カナリア」「虫追う春」「母の着物」「Mam's Red」「梅の葉」[花の色」「le courage」「たちつぼすみれ」「渋茶」「cupid come」「思い出のすみれ」

知らない人が見れば、ただの色。

でもそのインクボトルには、皆さんの思い出が詰まっているように感じました。

今回作成したノートとインクで、なかなか書き出せなかった人生の物語を、書き始めることが出来ますように。企画担当者は、そう心より願っています。