昨年度、開催された、連続セミナー『生命(いのち)をつつむ未来繊維』は、繊維、衣服という視点から先端技術について、企業や専門家をお迎えして「衣」「医」「食」「移動」「住」という領域に分けて考察しました。

本年度は、災害時に私たちの身を守る機能について考えると同時に、、「心の安心」に視点をあわせて進行してきました。

前半は臨床心理士の藤森和美さんのセミナー。「平時の心のケアと災害時の心のケア」をテーマにお話しくださいました。

大きな災害が起こると「心のケア」について語られることが増えましたが、実際には、一般的な人々に深く浸透しているとはまだまだ言えません。当たり前のようなことも、災害時において、特に子どもたちにとって、何が心の支えになるのでしょうか?

私たちの日常にキチンと目を向けて、平時から何が必要なのかを話し合いました。

後半は、本プロジェクトをディレクションしている衣服造形家・眞田岳彦氏進行によるワークショップです。

「テキスタイル・ケア」として、身近な「布」「衣服」から、災害時に対応できる工夫を実際に行いながら考えていきました。

シーツから綱をつくったり、大きな荷物を運ぶためのリックや担架づくりなど、非日常的な環境から「いつも」を取り戻すために私たちが備えることの大切さを実感するワークショップでした。