並木を語る上で欠かせないのがモッズスーツです。

60年代のイギリスで、音楽とファッションをこよなく愛する若者たちが、独自のスタイルを築き上げます。「モッズ」と呼ばれた彼らは、おしゃれを競うように仕立屋でスーツをオーダーし、街へと繰り出しました(彼らの足になったのはカスタムしたスクーターでした)。モッズスーツはタイトな3つボタン、裾は短めというのがお決まりでしたが、他の人とは違うスタイルを好んだモッズは、個性豊かなスーツを作り上げました。

そんなモッズ文化に影響を受けた若者が85年に並木の門を叩きます。そこで生まれた1着のモッズスーツが並木にとっても大きな転機だったと思います。職人気質だった先代の並木祐三さんが、お客の要望を細かく聞き入れ、並木ならではの個性的なスーツが次々と生まれていきました。

 

ミュージシャンからお笑い芸人まで、著名人も足繁く通う「洋服の並木」。

本展では、知る、作る、着るの3つの項目に分けて並木のユニークなモノづくりを紹介します。展示の内容も後日レポートしていきますが、ぜひご来場下さい!