三軒茶屋の迷宮をゆく
世田谷通りと玉川通り(国道246号)に挟まれた
三軒茶屋のデルタ地帯――通称「三角地帯」。
戦後に立った闇市の名残を留めるこの一角は、
懐かしさの漂うアーケイドの商店街や
小さな店がひしめく飲食店街、
そして銭湯が隣り合い、時に“迷宮”と紹介されるように
年季の入った建物と細い路地が縦横に入り組みます。
買い物客の往来で賑わう日中。
そして、看板に明かりが灯り、
狭いカウンターに肩を寄せ合うように人々が集う夜。
それぞれ異なる魅力や趣のある三角地帯は、
地元住民のみならず多くの呑兵衛たちにも親しまれています。
この展覧会は、そんな三軒茶屋の迷スポットを、
その成り立ちや戦後の風景に想いを馳せながら、
さまざまな角度から調査し、紐解いていく試みです。
三角地帯の生態系を探るべく、
考現学を提唱した建築研究家・風俗研究家の今和次郎の手法にならい、
店舗の営みやそこを訪れる人々をイラストレーションで記録し、
地域の文化そして地域の風俗として切り取ります。
この展覧会の様子を特集ページでレポートしています。ぜひご覧ください!
Illustration: Sakurako Oidaira