東京スーダラ2019―希望のうたと舞いをつくる

プレワークショップ参加者募集!


2020年1月、生活工房にて開催する展覧会「東京スーダラ2019―希望のうたと舞いをつくる」に向けて、小森はるか(映像作家)、瀬尾夏美(画家、作家)、砂連尾理(ダンサー)と東京に暮らす4人のリサーチメンバーは、2019年の春から、“震災後、オリンピック前”の現在を見つめ直しながら、「“これから”を生き抜くために必要なものはなんだろう?」と対話を重ねてきました。

その過程でリサーチメンバーは、それぞれ、「震災」「家」「友だち」「老い」というテーマを見つけ、個々に掘り下げながら、互いに通底する問題意識や感覚を探ってきました。そして、クリエーションの日々も後半に入り、丁寧な対話の連なりからの跳躍を求め、私たちはゆっくりと身体を動かし始めています。

展覧会を目前にした2019年12月~2020年1月、この動きを外へと開き、ともに思考し、身体を動かしてくれる方々を募集します。

対象は中学生以上で、できるだけ3日間ともご参加頂ける方です。

ダンス経験などは一切問いませんので、ご関心のある方はぜひご参加ください。


開催日時:

①2019年12月22日(日)  

②2020年1月18日(土)  

③2020年1月19日(日)  

いずれも14:00~18:00頃


会場:生活工房4階ワークショップルーム

参加費:1日あたり200円(保険料として)

定員:各日10名程度(申込み先着、12月21日までで一旦しめきります)

対象:中学生以上


※本ワークショップの様子は、映像と写真による記録を行い、展覧会において使用する可能性があります。


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■アーティストメッセージ


2019年、東京。私たちはいまこの地点に立っています。あえて形容するとしたら、「震災後」であり、同時に「オリンピック前」である、ちょうどふたつの大きな事象のはざまにいる、という感じでしょうか。

大災害/大事故のショックのあと、気づけば巨大な祝祭へと加速的に向かっていく社会状況を目の前にして、自らの手で何をしたらよいのかをふと見失い、なんだかぼんやりとしてしまう感覚があるような気がします。

けれど、そうしている間に、「震災」のときに戸惑い、その後、悩みながら繰り返した密やかな会話の中で気づいたこと、皮膚感を伴いながら大問題だと感じたはずのあれもこれも、どこか薄れて、遠い存在になってはいないでしょうか。

いよいよ東京では祝祭の準備がピークを迎え、その後の社会を想像することも困難に思えてしまうほどの巨大なお祭りが訪れます。
だからその前に、あの時やあれからの日々で気づいたはずの、忘れちゃ困る、置いていきたくはなかった身近な大問題たちに、改めて出会い直しに行きませんか。
そうすることで、歴史的な節目の影に埋もれてしまいそうな、自分たちなりに手触りのある時間軸をつないでいけるかもしれません。

私はまずどこに立っていて、何に関心を持ち、これからをどうしたいのか。
それを知るために、考える時間を得るために、
東京のまちに出かけて、話を聞き、その移ろいをよく見てみる。
そして、自分だけの地点を獲得して、ちいさな物語を編み、このまちでうたう。

それが思いがけないユーモアに包まれた、誰しもが口ずさんでしまうような歌になったら、
隣にいる人やどこか遠いところにいる人たちと、未来を語るためのあたらしい会話がはじめられるかもしれません。
ちょうど戦後15年で軽やかに歌われたスーダラ節みたいに。

小森はるか+瀬尾夏美、砂連尾理


■アーティストプロフィール

 



小森 はるか+瀬尾 夏美 (こもり はるか + せお なつみ)


映像作家の小森と画家で作家の瀬尾によるアートユニット。2011年3月、ともに東北沿岸へボランティアに行ったことをきっかけにして活動開始。2012年より3年間、岩手県陸前高田市に暮らしながら制作に取り組む。2015年、東北各地で活動する仲間とともに、土地と協働しながら記録をつくる組織、一般社団法人NOOK(のおく)を設立し、仙台に拠点を移す。現在も陸前高田での制作と対話の場づくりを活動の軸にしながら、全国各地へ赴き巡回展を開催している。 http://komori-seo.main.jp/


砂連尾 理(じゃれお おさむ)


振付家・ダンサー。1991年、寺田みさことダンスユニットを結成。近年はソロ活動を中心に、ドイツの障がい者劇団ティクバとの「Thikwa+Junkan Project」、京都・舞鶴の高齢者との「とつとつダンス」などを発表。また宮城・閖上(ゆりあげ)の避難所生活者への取材が契機となった「猿とモルターレ」では瀬尾なつみ、小森はるか等と協働する。著書に「老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉―ダンスのような、介護のような―」(晶文社)。 立教大学 現代心理学部・映像身体学科 特任教授 https://www.osamujareo.com/

 

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主催:公益財団法人せたがや文化財団 生活工房

企画制作:小森はるか、瀬尾夏美、砂連尾理

リーサーチャー:太田遥、小林功弥、安富奏、吉立開途

プロジェクトアドバイザー:小屋竜平

助成:公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団

協力:立教大学現代心理学部映像身体学科

後援:世田谷区、世田谷区教育委員会