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レポート | 渦巻く智恵 未来の民具 しめかざり | 世田谷文化生活情報センター 生活工房

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渦巻く智恵 未来の民具 しめかざり

森須磨子さんと巡る、「しめかざり」ギャラリーツアー

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第3室

渦巻く智恵 未来の民具

正面に置かれたこの門飾り、スケール感に圧倒されますね。

宮城県丸森町の門飾りを再現したもので、わら細工名人の荒川美津三さんに製作指導していただきました。

写真)門飾り

農家の藁と生活

写真)会場内では実際に藁を手に取って
触れることができる

御年91歳で今もなお製作を続ける荒川さんの暮らしを紹介したコーナーがこちらです。農家にとってとりわけ身近な「藁」と「生活」の関わりについてお話を伺いました。

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山内家の「けんだい」

写真)縁側の片隅に座り、手慣れた姿で稲わらを編む山内さん

こちらのコーナーでは、福島県会津若松市で「ケンダイ」作りを受け継ぐ山内政文さん(89歳)にお話を伺っています。第2室で展示していた家庭用のケンダイは、今では山内家のみが制作を続けているたいへん希少なものです。

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年男

今回、3名の現役の「年男」に取材をさせていただきました。

写真)縁側の片隅に座り、手慣れた姿で稲わらを編む山内さん

3世代家族の年男

お一人目は宮城県栗原市の二階堂旭さん(39歳)。「3世代家族の年男」です。祖父から母へ。母から息子へ。マニュアルがあるわけでもなく、時おりお子さんたちの手を借りながら、しめかざりを作りあげる「年男」って、なんとも微笑ましく、頼もしい存在です。


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初代年男&遠距離の年男

次は、岡山の実家に帰省して、おじいさんとの記憶を辿りながらお飾り作りに挑む「遠距離の年男」三村宜敬さん(38歳)の素敵なお話になります。


最後は、私の美大時代の同級生である江川英明くん(50歳)が、身近に「師匠」も「藁」もない中で試行錯誤した製作風景を紹介しています。運良く藁は実家が農家のPTAの方から入手。藁のすぐり方に始まり、縄の綯い方、紙垂の切り方まで、動画サイトを参考に術を会得したそうです。

改めて、今回の企画の中で、「輪飾り」の展示が多かったように思いますが、特に意図されているようなものがあったのでしょうか?

はい、ご指摘のように今回の展示では、小さな「輪飾り」をあらためて見つめ直し、「未来の民具」の筆頭としてプレゼンテーションしてみました。「輪飾り」は、台所や風呂場といった水回りを中心に、車や自転車、テレビや冷蔵庫などその年によく使ったモノや場所に広く掛けられます。つまり輪飾りを掛けることはその一年の感謝を振り返ることであり、今後ますます私たちの生活に必要な道具となるのではないかと思いました。

では最後に、しめかざりはこれから先、どんな可能性を秘めていると思いますか?

日本には茶道、華道、書道、弓道、柔道、剣道など、さまざまな「道」があります。「道」とはWay、つまり「生き方」であり「方法」です。茶道なら「茶」を、華道なら「華」を媒介にして、身の回りの「自然」や「自分自身」に向き合ってきました。しめかざりも、まさに同じもののように思います。藁を一本一本触ることで、「米」やそれを育む「自然」の大切さを知り、しめかざりを掛けることで、自分が多くのものに「生かされている」ことを知る。それは、しめかざりの真髄とも言えます。まずは、じっくり観察し、作ったり、飾ったりして、しめかざりを「自分ごと」にしてみる。そうして、自分なりの「しめかざり道」を極めていただけたら何よりも嬉しいです。

クラシー
しめかざり道はおもしろいね。ぜひ入門したいな!
カワルン
お次は、ぼくたちの友人が登場するよ!サラリン、よろしくお願いします~!